単 純 生 活

Sometimes the best gain is to lose. (George Herbert)

公園で読書をするときは


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先日、待ち時間に公園で読書をしていました。

日差しがあったので、木陰のイスを選んで座っていました。

木々の間から漏れる日差しはうららかで、とてもよい心地でした。

読んでいたのは、沢村貞子さんの『老いの楽しみ』です。

 

 

老いの楽しみ (ちくま文庫)

老いの楽しみ (ちくま文庫)

  • 作者:沢村 貞子
  • 発売日: 2014/08/06
  • メディア: 文庫
 

 

沢村さんは明治から大正、昭和、平成を生きた方と改めて知り、

4つの時代を生きたなんて、

どれだけのものを見てきたのだろうと思います。

 

この本は女優を引退なさってからのエッセイで、

その穏やかな暮らしぶりが読んでいて心地よいです。

 

 

さて、そんな感じに優雅に読書を楽しんでいると、妨害者が現れました。

蚊です。

気がついたら足のまわりにぶんぶんぶんぶん……

ちょっとお!あんたらさっきまでいなかったじゃないのさ!

油断をすると食われます。

うららかな公園は一気に生きるか死ぬかの戦場になりました(蚊が)。

のどかな昼下がり、ぺっちんぺっちんと殺戮を繰り広げましたが、

敵はどこからともなく無尽蔵に湧いてきます。

十匹を超えたあたりから数えるのが面倒くさくなってきました。

本は一行も進みません。ふんがーっ!

憤慨している間にも敵は襲いかかってきます。

ちゅうちゅうと吸っていきやがります。

 

 

……その文字通り血なまぐさい戦いは、やがて終焉を迎えます。

撤退です。

多勢に無勢、あまりの多さにわたくしは撤退を余儀なくされました。

しかし、敗退ではありません。

地面に残る獅子奮迅の活躍の成果を背に、

わたくしは公園を後にしました。

かゆいぜ、ちきしょー。

 

 

公園で読書、なんて言うと優雅でよいですが、

こういうリスクもあるのですね。

虫よけは忘れずに。